はじめに
感情ジャーナリングを始めてみたけど、何をどう書けばいいのかわからない。そんな人のために、私なりに見つけたコツをまとめてみました。
想定読者
こういう人におすすめの記事です。
- 感情ジャーナリングを聞いたことはあるけど、やったことがない人
- 普段、論理的・分析的に考えるタイプで、感情を書き出すのに慣れていない人
- 始めてはみたものの、何を書けばいいのかわからず止まってしまった人
- 感情を書くとつい「原因」や「結論」を出したくなってしまう人
こんな人は無理しなくて大丈夫
感情ジャーナリングは基本的に誰でも気軽に始められるものですが、今つらさが強く、日常生活もままならないような状態のときは、無理に感情を掘り下げようとしなくて大丈夫です。かえって辛さが強まってしまうこともあります。
また、現在カウンセリングや心療内科などで専門的なサポートを受けている方は、自己流で始める前に、担当の方に相談してみるのがおすすめです。
そして単純に「なんとなく気が乗らない」「自分には合わなそう」という人も、それはそれで全然OKです。感情ジャーナリングは数ある自己理解の方法のひとつでしかないので、無理に自分に合わせにいく必要はありません。合う人が、合うタイミングでやればいいものだと思います。
こんないいことがあります
- 頭の中がすっきりする:モヤモヤを言葉にして外に出すだけで、それだけで少し楽になることがあります
- 感情に振り回されにくくなる:湧いた感情をただ観察する練習を重ねることで、感情そのものに飲み込まれにくくなっていきます
- 自分への理解が深まる:何にイライラしやすいか、何を大切にしたいか、自分でも気づいていなかった一面に出会えます
- 自分の感情のクセに気づける:「あ、私っていつもこのパターンで凹むんだ」など、繰り返し起きていることが見えてきます
コツ
感情は「強すぎず、弱すぎず」のときが狙い目
感情が強すぎると、その渦にどっぷり巻き込まれてしまって、とても観察どころではなくなります。難易度が一気に上がる感じです。
逆に弱すぎると、今度は興味が湧かずスルーしてしまいがち。ちょうどいいのは「あれ?なんだろう、これ」と、小さく引っかかるくらいの強さです。そのくらいの感情が、実は一番観察しやすいんですよね。
「考えずにはいられない」瞬間を見逃さない
頭の中で物語が勝手に展開し始めるとき、ありませんか?「あの人はきっとこう思ってる」「だからこうなったんだ」と、考えが止まらなくなる瞬間です。
そういうときこそ観察のチャンス。感情が物語を作り出している、まさにその現場を捉えられるタイミングだからです。
感情語彙リファレンスを頼ってみる
自分の感情に「これだ」という名前がつけられると、それだけで感情への感度が上がっていきます。漠然としていた内側の動きが少しずつ輪郭を持ち始めて、細かい違いに気づけるようになる。結果として、観察や発見がどんどん深まっていくんです。
言葉にできないモヤモヤを感じたときは、ぜひ感情の図や感情語彙のリストを眺めてみてください。「あ、これ、まさにこの言葉だ」という瞬間が、きっと見つかります。インターネットで検索すると色々ありますが、何を使ったらいいかな?という人は、最初は「プルチックの輪(感情を色分けした図)」がおすすめです。
感情や衝動を「良い・悪い」で評価しない
でも感情や衝動そのものに、良いも悪いもありません。イライラも、逃げたい気持ちも、自分の意思とは関係なく勝手に湧いてくるものです。湧いてしまうこと自体はコントロールできないので、責めても仕方がありません。
まずは「あ、今イライラしてるな」「逃げたい気持ちがあるな」と、起きたことをそのまま認めてあげてください。特に認めたくない感情ほど、「感じちゃいけない」と抑え込みがちですが、認めてあげるだけで、ふっと息がしやすくなる感覚があります。評価を挟まずに認めるだけで、不思議と少し落ち着いて観察できるようになるんです。
とはいえ、最初のうちは評価を挟まずに認めるだけ、というのがなかなか難しいものです。気づけば評価してしまっている、それも自然な経過です。繰り返していくうちに、少しずつ「認める」だけで留まれるようになっていきます。
答えを出すことを目的にしない
書いていると、つい「結局これは何が原因だったんだろう」「じゃあどうすればいいんだろう」と、結論や解決策を出したくなってきませんか? 特に普段ロジカルに考える癖がある人ほど、この衝動が強いと思います。
でも感情ジャーナリングは、問題を解決するためのものではなく、「今、自分の中で何が起きているか」をただ観察するためのものです。答えを急いで出そうとすると、せっかく出てきた感情を早々に切り上げて、「原因はこれ」「対策はこれ」という結論に無理やり押し込めてしまいがちです。
わからないまま、モヤモヤしたまま終わってOKです。むしろ「結論が出ない」「よくわからない」ということ自体も、立派な観察結果のひとつです。
できるだけ「その場」で書く
時間が経つと、感じ方も考え方もどんどん変わっていきます。あとから振り返って書くのももちろんOKなのですが、できれば感情が動いたその場で、生々しいうちに書き留めてみてください。そのときに何が起きていたのか、解像度がぐっと上がります。
とはいえ、最初のうちはその場で書くのはハードルが高いもの。慣れないうちは、一日の終わりに思い出しながら書くだけでも十分です。
何を書けばいいの?
最初は:事実と、体・感情
コツがわかっても、次に迷うのが「じゃあ具体的に何を書くの?」ってことだと思います。慣れないうちは、次の2つだけ意識してみてください。
① 何があったか(事実)
まずはシンプルに、状況を書きます。「上司にメールで指摘された」「電車が遅れた」くらいでOKです。ここでは良い悪いのジャッジや解釈は入れず、起きたことだけを淡々と。
② 自分の中で何が起きたか(体と感情)
ここが感情ジャーナリングの本体です。とはいえ、難しく考えず「体」と「感情」を、思いつくままに書いてみてください。
- 身体はどうなった?(胸がざわざわした、肩に力が入った、など)
- どんな感情?(イライラ、焦り、寂しさ、名前がつかなくてもOK)
最初は「なんかモヤモヤした」くらいの解像度で全然大丈夫です。書いているうちに、だんだん自分の感じ方のクセが見えてきます。
少し慣れてきたら:頭の中も覗いてみる
①②が習慣になってきたら、今度は「頭の中で何が起きていたか」も足してみてください。
- 解釈・推測:「たぶんこう思われてる」「こうなるかも」「また同じミスした」「私って向いてないのかも」と考えていたこと
- したかったこと・欲しかったもの:本当は逃げたかった、認めてほしかった、安心したかった、など
事実と感情だけだと見えなかった、「なぜその感情が湧いたのか」の背景が見えてきます。
さらに深めたい人へ:パターンと言葉を足す
ここまで書けるようになったら、以下を足すとさらに発見が増えます。
- いつもの自分のパターン:「あ、これ私がいつも凹むやつだ」という気づき
- ありたい姿:本当はどう在りたかったか、どう振る舞えたら良かったか
- 感情の名前調べ:書いたあとに、感情語彙リファレンスを見て、「これはたぶん"羞恥"だったな」と確認してみる
おわりに
ここまで、感情ジャーナリングのコツと、何を書けばいいかを紹介してきました。
私自身はこのレベルまで書いていますが、ここまで来るのに体感半年くらいかかりました(もちろん頻度にもよります)。なので、焦らなくて大丈夫です。①②から始めて、書くこと自体に慣れてきたら、自分のペースで少しずつ足していってみてください。書けるようになると発見が増えて、自分でも知らなかった自分に出会えるようになっていきます。
