Anki の負荷をコントロールする

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概要

私の負荷コントロール方法についてご紹介します。いろんなやり方があると思っていますので、一例としてご覧ください。

Ankiを長い期間やってる人は既知のことだと思いますので、まだAnkiに慣れてない方向けの情報です。

Anki の負荷の上がり方

週ごとの平均Anki時間のグラフです。
※新規カードを日々同じ枚数追加しているデッキの場合です。

1週目を1倍として、取り組む時間がどのくらい増えたかを示しています。新規や復習の枚数設定と取り組み方によって増え方は変わってきます。よって、倍率は参考として見ていただく必要がありますが、ここで言いたいことは「1週たつごとに、けっこう増えるよね。1ヶ月たつとかなり増えるね」ってことです。

Ankiデフォルトの設定の通り、新規カードをコンスタントに追加していく場合、「新規の追加が完了するまで、設定変えずに時間確保できる?」かという視点をもつ必要があります。これを知らずにデフォルト設定のままAnkiを始めてしまうと、1日の新規・復習の枚数がこなしきれずに途中放棄してしまう、につながる可能性が大きいと思います。また、最終的にAnkiが合わないと思ってしまうのではないかと思います。

キツくても続けられる人、Ankiのみだけにフォーカスする人はそのままいけばいいと思うのですが、少数派かなと思っていますので、知っておくに越したことはないです。

負荷の調整をするための設定

一番簡単な方法としては新規カード枚数と復習カード枚数の変更だと思います。(平準化に特化したようなアドオンもあるみたいですがここでは言及してません)

1日の新規カード枚数と復習カード枚数の設定

Windows 版

  1. デッキ右の歯車アイコンから[オプション]
  2. 一日の上限

Ankidroid 版

  1. デッキ名をロングタップ(長押し)
  2. [デッキオプション]
  3. [新規カードと基本学習]
  4. [一日あたりの新規カード出現の枚数]
  5. 画面を一つ戻って、[復習]の[一日あたりの復習カード出題枚数の上限]

一日あたり新規カード枚数は20枚、復習カード枚数は200枚がデフォルトです。復習カード枚数は新規カードが20枚であることを受けて、200枚に設定されています。1日の負荷が高くなりすぎないよう、復習を平準化するための設定です。
私個人的の感覚だと、カードの習熟度にもよりますが、200枚くらいならなんとか、250枚とかにするとキツいなという印象です。(厳密には、そのときやってる新規カードの難易度、復習してるカードの習熟度という要因も考慮が必要なのですが、何はなくとも枚数に対する自分の感覚を抑えたほうがよいですね。覚えてないカードばかりだと200枚でもつらく、覚えかかってるカード中心なら枚数が多くても負荷は低いです)

デッキオプションを複数設定しておく

デッキオプションを複数設定しておき、負荷によって使うオプションを切り替えるのが便利かなと思います。私個人としては復習カードの枚数は変えずに、新規を変えることによってコントロールしています(私の実例は後述しています)

RPGゲームをやったことがある人向けのたとえになりますが、「ガンガンいこうぜ」と「いのちをだいじに」とか何パターンか「デッキオプション」を作っておくといいと思います。Ankiではいのちなんてないんですけど…例です。いや、デッキオプション名とか好きに変えてくださいね。

デッキオプション名 新規カード枚数 復習カード枚数
ガンガンいこうぜ 30枚 300枚
ふつうにがくしゅう 20枚 300枚
いのちをだいじに 5枚 300枚
復習にせんねん 0枚 300枚

復習カード枚数は新規カード枚数を何枚~何枚の間で変更するかで決めるとよいかと思います。例えば、一定期間でも新規30枚にするならば、復習はどの設定でも一番多いほうにあわせるのが私の考え方です。

その日だけ新規カード枚数を増やす設定

その日(当日)だけ新規カード枚数を増やす方法です。新規カード枚数であらかじめ設定されてる枚数+ここで設定する枚数がその日の新規カード枚数になります。

Windows 版

  1. デッキ名を選択
  2. 画面下部の「カスタム学習」
  3. 「今日の新規カードの上限を上げる」を選択して、「今日の新規カードの条件に上乗せ」に枚数を入力

Ankidroid 版

  1. デッキ名をロングタップ(長押し)
  2. カスタム学習
  3. 今日の新規カード上限を変更

実績の把握

日々学習前後に把握しておくこと

しばらくの間、下記の情報のメモをとることをお勧めします。

  • デッキの学習を始める前に、表示されている①「新規カードの枚数」と②「期日」カード枚数をメモ
    「新規」(New)は、その日学習する予定の新規カードの枚数
    「期日」(Due)の数字は復習期日に達したカードと現在学習中のカードの枚数の合計
  • デッキ完了後、③学習枚数、④かかった時間、⑥正解率に加え、⑦学習中に感じた難易度やその日の新規カードの難しさ(感想)をメモ

日々、カードをめくりはじめる前の画面で「新規」と「期日」の枚数が何枚になっているか?を見て、やってみた後に負荷がどうだったかを把握するようにしてください。しばらくすると、自分に対する負荷のかけ方がどのあたりがいいのかわかってくるので、後は設定変えつつ実験です。

  • 円グラフに「学習中」のカードのパーセンテージが増えてきた(定着してないカードが多いので覚えづらくなっている可能性もあるかも)
  • 新規カードが全然覚えられない(カード自体の難易度が高ければ新規カード枚数を抑える選択肢もある)
  • 日々こなすのがつらい

となってきたら、新規カードを0枚か5枚に減らすといいです。5枚だとそこまで負荷がないです。また、5枚少なすぎると思ったら、学習完了後に増やせます。1週間くらい5枚にしておくとラクになってくるので、そしたらまた新規カードを戻すということで、継続することを重視するとよいと思います。(復習カード側を減らすやり方もありますが、覚えることが目的ですから、新規よりも復習を優先したほうがよいと思います)

枚数と負荷の感覚をつかむことが目的なので、目的を達成したらメモをやめていいと思いますが、最初の2ヶ月くらいはメモしてみることをお勧めします。(メモをとることが目的ではないので、メモなくても大丈夫って方はメモなしでいいと思います)

記録するためのシートを「Anki 学習実績記録シート」にアップロードしています。カスタマイズして使ってください。

時間と最長回答秒数

Windows 版では [統計]画面で表示される「復習」グラフで「時間」にチェックをすると時間が見られます(Android版でも統計の履歴(時間)で見られます)。
少し細かい仕様に触れておきます。

  • 細かい話ですが、設定にある「最長回答秒数」以上の時間はカウントされません。([デッキ]の[オプション]に設定があります。)デフォルトは60秒で、1枚のカードを60秒以上見ていたら離席してるかもしれないし、そこでカウントとめるわ、という設定です。
    ▼デッキオプションの最大回答秒数
  • 私はデッキ学習中にインターネットを見に行ってしまったりするので(辞典とか画像見に行ったり)、Anki側の時間は実体よりも短くカウントされてしまいます。もし、インターネットなどを見ている時間も含めた学習時間を知りたければ、別途タイマーなどでカウントしたほうが正確な時間がわかります。
    明くる日は1時間やってましたが、実体は50分がAnkiに計上され、残り10分くらいはインターネットで検索したりしていた時間でした。

あるデッキを実施していたときの負荷調整例


序盤、新規カード30枚/日(ピンクの棒グラフ)で投入しています。やる気と時間があったので、40日すぎるあたりまではその設定で頑張ってましたが、Anki時間が100分越えてきました(青折れ線)。

40日を過ぎたあたりで、負荷が高すぎると思ったので、新規を5枚にしてしばらく様子を見ました。新規減らしたところでがっつり折れ線グラフが下がりました。その日以降はやる気と負荷との相談で、新規カードの枚数を変えています。こまごま変えてるように見えるのは、少ない枚数である5枚にしていて、やる気があればその日の学習終了後にさらに新規を追加しているからです。(日々こまごま変えることを推奨したいわけではないです)
個人的な感覚としては、一週間単位で新規カード枚数を見直すくらいでいいのではないかと思います。

 

Ankiでは、特段設定を変更せずに、学習の残りを翌日に持ち越すこともできるのですが、主体的に変更すれば「より自分でコントロールしている」という実感が持てるのと、「枚数が日々0に出来る」点がおすすめです

もちろんご自身にむいてる方を選べばよいと思います。(設定を変えずにこなしていく”負荷上等”組がいることも存じております。みんなすごいね)

 

Keep calm and carry on!

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