Anki を続ける

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概要

Anki を続けていくと徐々に負荷があがってくるので、どうしたものかと考えます。そんな方々に私のTipsをご紹介します。

ピークとかかる期間を知る

学習予測を立てるのに Anki Simulator というアドオンをPC版で使うと復習回数の予測が出ます。

下の画像は、カードが700枚くらいの未実施デッキをシミュレーションしたものです。(デッキを選んで「Load Deck Options~」ボタンを押し、Simulateボタンを押せば結果がでます)

最初の1ヶ月で復習回数が右肩あがりに伸びていき Feb 24のあたりがピーク、その後復習が続く感じになります。この「ピークにむかって」がAnkiを継続する上でとても大変で、「日々自分がこなせるか?」のキーになります。デッキの全体枚数と日々の新規投入枚数によって期間や上がり方が変わってくるため、自分のデッキと設定で見るのが一番ですが、グラフの波形は同じ形を描く点を理解しておくと見通しがたちます。

Simulratorを使う注意点としては、デフォルトの「Your Performance」(青枠)がかなり良い値になっている点です。覚えなきゃいけないカードばっかりのときに、そんな正解率はでません(少なくとも私は…)。

まず、デッキ開始前にデフォルトで出したシミュレーションの画面をスクリーンショットしておきましょう(今後別のデッキの予測のためにとっておくといいと思います)。次に実際に近いシミュレーションの方法をいくつか書いてみます。

  1. 1~2週間デッキの学習を進めてみて、もう1度シミュレーションする(実績が長ければ長いほど精度が上がります)
  2. 他のデッキを学習した実績があれば、そのデッキをロードしてこの値を確認し、その正解率等を新しいデッキに適用してシミュレーションする
  3. 私のとあるデッキの正解率を適用してみる
    ▼低いですが、私はこんなものです。私にしてみると、デフォルトの結果はかなり良い方に振られています。

記憶力の良い方でも無い限り、デフォルトで計算した値より悪くなることが多いと思いますが、ショックを受けずに淡々と受け止めるといいと思います(私は慣れたのであんまりショックを受けませんが、時間かかるなぁと目は細くなります)。
シミュレーションの細かい結果の正確性がどうというのではなく、いつ頃ピークが来るのか?今より何倍くらい増えそうか?という点を把握するのに使っています。(シミュレータはGitHubにフィードバックができるようなので、良いアイデアがある方は送ってみるとよさそうです)

新しいデッキを数ヶ月くらいで終わるかな?と感覚的に Anki を始める人がいますが、復習の期間を見ると、思ってるより時間がかかるということも知っておくと良いと思います。

タイムボックスを使う

「タイムボックスの制限時間 (timebox time limit)」という機能があります。公式でも「集中力の維持を助ける」と謡っており、設定した時間制限ごとに学習したカードの枚数を表示してくれる Anki のデフォルト機能です。一定時間でどのくらいこなしてるかを教えてくれます。日々30分以上とか長時間 Anki に取り組む方にお勧めだと思います。PC版でもスマホ版でも利用可能です。

  • PC版(Windows)なら[ツール]-[設定]-[Scheduling]-[タイムボックスの時間枠]
  • Ankidroidなら[三本線アイコン]-[設定]-[カードの学習]-[タイムボックスの時間枠]
10分に設定。カードをめくってる途中で表示されます。
①10分経過。順調です。

②20分経過。順調です。

③30分経過。明らかに効率落ちました。集中力も落ちてそうなので、ここで1回休憩しました。
邪魔だと思うとき(新規カードばかり見るなど時間を要する時、動画ばかりのカードを見るとき)は設定を戻します。淡々と量をこなすときにペースメーカーとして良いです。

解答に時間制限する

時間制限で解答を表示することができます。時間がかかるカードって必然的に「覚えてない」ってことだと思うのでアリな機能です。

  • PC版(Windows)なら各デッキの右の歯車-[オプション]-[一般]-[Automatically show answer after] で秒数を指定
  • Ankidroidなら[三本線アイコン]-[設定]-[カードの学習]-[解答を表示するまでの時間] で秒数を指定

解答ボタンの選択肢を減らす

ボタンが4つもありますが、基本「もう一度/AGAIN」と「普通/GOOD」だけ使えばいいと思います。迷ってる時間がもったいないのと、個人的に「難しい/HARD」はあまり使う必要を感じないからです。「簡単/EASY」も稀に使いますがほぼ使いません。

PC版はアドオンでボタンの表示をカスタマイズすることができます。アドオンを紹介しておきます。(デフォルト機能ではないため、スマホ版では残念ながらできません)

Advanced Review Bottom Bar 解答ボタンをカスタマイズ可能なアドオンです。
[ARBb]-[Advanced Buttombar Seetings]-[Bottombar Buttons]で、ボタンを隠す設定をすることができます。Hard/Good/Easyのボタンをそれぞれ隠すことができます。

コントローラーを使う

1日にやる量が多い人、カードをめくるときは淡々とめくるだけ、スマホ版でやるの手が疲れる、という人は検討の価値ありです。私はいっときスマホでやってて手が痛くなったので、導入しました。

ゲーム機をお持ちで Bluetooth コントローラであれば、新たに買わなくてもつなげられたりしますね。お使いのデバイスが対応してるコントローラーを確認してみてください。Amazon とかで買える安い片手コントローラーを使ってる人も良く見ます。(私はPS4コントローラを使ってます。 Anki をPS4コントローラーでやる

スマホの場合スタンドを使う

Anki は長い時間ことやるので、スマホの場合はスタンドがあると集中してやりやすいです。

これは USGREEN のもの。Amazonで検索するとすぐ出てきます。Kindleも置けて安定感があります。2017年に買ったので2022年現在、4年も使っています。白と黒があります。

UGREEN スマホスタンド 携帯電話スタンド(Amazon)

これは持ち歩き用に最近買ったコンパクトなもの。端をゆるめたり、きつくしたりして使います。USGREENのものより安定感は低いけど、その分コンパクト。外でスマホに使うには十分です。ベージュ、パープル、ミントの色があって色展開もかわいいです。
Owltech COMPACTSTAND パープル(Amazon)

フラグを使う

学習していると何か修正したくなったり、情報を追加したくなったりすることがあります。学習中に編集すると時間がかかってしまうので、フラグだけつけて後回しにします。

フラグは4種類あります。

私の場合、赤は覚えにくいため情報を追加してみよういうカード、緑は画像を追加したいカード、青は発音を確認したいカードと決めて使っています。

学習の完了後か時間があるときにPC版でカードを編集し、フラグを解除しています。
PC版で[検索]からブラウザを表示させて、ブラウザで対象デッキを選んだ状態で「フィルター」から「カードの状態」を選ぶとフラグのついたカードが確認できます。

フラグは使い方が決まっているものではないので、上記以外の用途で使うこともできると思います。

無駄(定着困難)カードは後で学習する

デッキのオプション-[忘却]に[無駄(定着困難)カードと判定する忘却回数]があり、デフォルト[8回]になっています。全体の学習を効果的にすすめるために、定着困難カードは一旦よけたほうがいいんじゃない?という考え方です。(今覚えられないカードに時間使うより覚えられるものを覚えたほうが全体として効率的ということですね)

慣れるまでは無駄と判断されることに抵抗があったり、覚えたいと思って0枚にする人がいますが、しばらくAnkiを使ってみて、デフォルトのまま無駄扱いしておき、あとからなんとかするほうが合理的だと思うに至りました。カードが保留されますので、最終的に保留カードだけを学習するか、今はいいやと放置します(今回は仲良くなれなかったけど、どっかでまた会おうぜ的な)。

公式の 無駄カード のページも一度読んでみるといいと思います。

音楽ファイルの再生速度(テンポ)を変更する

音声や動画をいれてる場合には、いっそのこと再生速度を早くしてしまうのも手です。

ファイルの加工にかかる手間を考えてペイするか?や早くしても学習するうえで問題ないか?を勘案し、リターンがあるならばやればいいと思います。自分でデッキを作っている人は作成時点で検討しておいてもいいかもしれません。

Ankiに慣れるまでデッキの難易度は低めでトライする

Anki というものに慣れるまではデッキの難易度は少し低めのほうが取り組みやすいと思います。全てのカード、全く知らないやつを一から始めると復習の多さに圧倒されてしまって挫折しかねません。

Anki のいいところは覚えてないものを繰り返し表示してくれるところなのですが、その分「あー!これまだ覚えてないんだよね。さっきも見たし、何回も見たのになんだっけ!!」というのがとても増えます。あまりくよくよしないことがコツです。どうしても覚えられないものは、定着困難カードとしてあっさり無駄に回すのもコツです。が、そのシステムに慣れるまでは難易度低めのデッキ(既知もあるようなもの)を回して、Ankiのシステムに慣れることを優先するのもありです。あるデッキに挫折したら、少し難易度低めのデッキに行ってみるのもいいと思います。この「覚えてないよ、なんだっけ!!」はこなしていくことで一定の耐性がつきます。私はつきました。辛くならないとは言わないけど、ある程度慣れはします。

休日は朝やる

私の場合、休日は夜に回すとすごく面倒になってしまい飛ばしてしまうこともあるので、その対策です。朝でなくてもいいのですが、なるべく一日の早いうちに。

休日朝やろうと言いたいわけではなくて、ご自身がサボりがちなタイミングに規則性があるようなら、何かよい対策はないか?そしてそれが習慣化出来るか考えてやってみよう、ということですね。

眠気と戦う

Anki をやってると眠くなるのは有名ですよね!?もはや見出しが対策/Tipsになっておりません。

  1. 立ってやる
  2. 動き回りつつやる
  3. アイスバンドを首に(冬以外)
  4. 家にいるときは机にむかってやる
  5. 一旦休憩する(飲み物を入れて再開することが多い)
  6. お風呂でやる(何十分かが限界ですが、邪魔するものがないのが良いです。のぼせてしまったら本末転倒なので、タイムボックスの設定をして○分と決めてやってます)

などが私の対処です。こればかりはなにかいい方法ないかな~?といつも思っています。Ankiに限った話ではありませんが、Ankiは特に眠くなりますね。睡魔との戦いに終わりはなく、日々戦っています。

 

Keep calm and carry on!

参考

Anki の負荷をコントロールする、という記事も書いています。

Anki の負荷をコントロールする
概要 私の負荷コントロール方法についてご紹介します。いろんなやり方があると思っていますので、一例としてご覧ください。 Ankiを長い期間やってる人は既知のことだと思いますので、まだAnkiに慣れてない方向けの情報です。 Anki ...

 

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